公益財団法人 白山麓僻村塾

活動の記録

2000年度[第9期]
2000年6月10日/白峰 遊月山荘

最近考えていること

高橋治
高橋 治/(公財)白山麓僻村塾特別顧問。小説家。元松竹映画監督。1929年生まれ。84年『秘伝』で直木賞を受賞。88年任意団体「白山麓僻村学校」を立ち上げる(僻村塾の前身)。96年『星の衣』で吉川英治文学賞。ほか作品多数。
 日本は世界で一番預金高が多い国になった。が、豊かになったかに見える一方で、国の借金は膨らみ続けている。またモラルの低下による「官」の不祥事が世間を賑わしている。これは一体どういうことだろう。 我々はいわば「飽食の応仁の乱」ともいうべき時代を生きているのではないか。物に溢れながら人間として頼るものがない、明日への希望が見えてこない状態だ。 社会全体がいま、生活習慣病というべき「慢性疾患」に陥っている。教育や若年層の犯罪の問題はその顕著な例であろう。誰か任せではない、自らの頭で考え行動すべき時期が来ている。