公益財団法人 白山麓僻村塾

活動の記録

平成23年度[第20期]
平成23年9月17日/白峰 望岳苑

池袋モンパルナスが
遺したもの

寺田農
寺田農/俳優。東海大学特任教授。1942年、洋画家寺田政明の長男として東京に生れる。文学座劇研究所の第一期生。現在、映画、テレビ、舞台、朗読、声優など多方面で活躍中。
(寺田)自分が生きた時代が日本の中でどういう時代だったか、それを知りたくて調べている。ただ、歴史というのはつながっているから、100年という単位で物事を捉えるほうがいいようだ。ちょうど父親が来年、生誕100年を迎える。父の生まれた年から考えていくことで何かが見えてくる気がしている。
(辻原)池袋モンパルナスは寺田さんから教えてもらった。時代の渦の中から芸術が噴き出した象徴的な場所だと思う。美術、演劇、文芸などジャンルを超えた幅広い人々がそこに集い、何かが生まれた。いまは、そういう異なったジャンルの人たちが真剣に話し合ったり、時には戦い、交流する場所がない。
(寺田)人という種は進歩しない種だと思う。古代ローマから現在に至るまで戦争ひとつなくせはしない。ある意味、芸術というのはそんな人間に対する神の贖罪なのではないか。
(辻原)人は進歩しているように見えるけれど、幸福の総量は、古代の人達と我々も変わらない。その時代、その時代にみな幸福であるし、不幸でもある。そのことを頭に入れておかないと、その時代の人達の心の中に入っていけない。