■2008年度[第17期]
2008年8月31日/白峰 望岳苑
朗読
『風の盆恋歌』
青木裕子・高橋治・服部真澄
(高橋)今日、読んでいただく「風の盆恋歌」はいわゆる心中ものだ。映画監督時代に助監督を務めてくれた田村孟が「治さんは、心中願望があるのか」と言ったことがあるが、そういう作品を立て続けに書いたことがある。たまたまそうなっただけのことだが、そのときに「心中」についてずいぶん考えた。近松門左衛門の作品や心中が起きるような社会背景を考えたのも思い出深い。今日は、そんな命を燃やす恋の物語を青木さんがどう表現してくれるか、楽しみだ。
(青木)原作者の前で、図々しく読む、という感じがしている。昨年秋のNHK「ラジオ深夜便」で二夜連続に渡り朗読したものが大きな反響を呼んだ。今日はそれを続けて読ませていただく。朗読は、高橋先生の名作を5分の1から6分の1くらいに短くしている。だから、登場してこない人物がいたり、おなじみの場面が出てこないことがある。その辺は、ぜひご容赦いただきたい。